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失敗しない医院造り:パートナー選びから開院まで

失敗しない開業の条件

開業の成否はパートナーの選定

開業を考えた時最初にすることは、先生のパートナーを選定することです。
なぜかと言うと、開業するには何千万~億円単位の事業費がかかります。その大金を投じて始める事業を先生一人でコントロールすることは不可能だと言えるからです。開業を決意してから開院するまで誰を頼りに相談し、決定していくかが非常に重要になります。そこで最初から最後まで、開業してからも相談できるパートナーが必要になって来る訳です。

パートナーの仕事

開業場所の選定、開業地のリサーチ、土地、テナントビル等の不動産関係の契約、銀行との折衝、スケジュール、建物規模、借用するビルの広さ等々、医院設計を始める前の段階で今まで経験した事が無い問題に直面する事になります。それぞれの項目がその道のプロである方々があらゆる方法で先生に判断を求めてきます。各業者は、先生の立場に立っては全く考えてはくれません。自分達の仕事が都合良く運び完了すれば良いと考え行動いたします。そこでこれらの業者と対等に渡り合える先生のパートナーが必要になって来る訳です。法律問題であれば、信頼のおける弁護士が必要となるように、先生の開業にはトータルで判断し、助言出来るパートナーが欠かせない事になります。

パートナーの条件

パートナーの条件

具体的に真のパートナーとは何を基準にを選定すれば良いか?先生の身近にいる薬剤プロパー、医療器械業者、建設会社、不動産会社等はいずれも先生と利害関係が相反する業者です。極端に言えば敵対する関係者と言えます。その様な業者はパートナーとしては不適格な事は明らかだと言えます。
ではパートナーの適任者は誰か。開業コンサルタントが適任かと思います。しかしながら本当の意味で開業をコンサルタントが出来る人は非常に少ないように感じております。約30年近く開業の設計活動をしていて相当数のコンサルタントに会いましたが底の浅い方がほとんどで、その仕事ぶりは単に担当業者を紹介する程度でした。前述のパートナーとしての仕事が出来るコンサルタントは非常に少ないのが現実ではないでしょうか。
我田引水ではないですが、私達は長年の医院建築設計業務に取り組むことで得たあらゆる状況に対応した開業コンサルタント能力が有ります。設計・工事監理業務を委託すると共に開業コンサルタントも併せてご活用頂きたいと思います。

設計事務所と設計・施工会社の違い

設計事務所と設計・施工会社の違い

多くの方が設計事務所と設計施工会社の違いを理解していない様に思いますので整理させていただきたいと思います。
どちらも建築士が設計し工事会社が工事をする。どこにも大きな違いが無い様に受け止められているのが現状ではないでしょうか?
その違いの根本的は設計者にあります。設計事務所は建築主(先生)に業務を依頼され業務報酬に基づき設計します。その結果設計図書の所有権は建築主に有ります。それ故に数社の工事施工会社による競争見積が可能となる訳で、設計施工では競争見積は出来ません。
また建設会社の設計者は建設会社員ですので建設会社の意向に反する事は出来ません。従って設計・工事監理するにあたり、先生側ではなく、会社側に立って業務を行います。この立場の違いが工事金額と建物の品質に非常に大きく現れます。
建築主(先生)は設計者と工事会社を別にしない限り支払金額に相当する建物を取得出来ない理由がここに有ります。
建設会社の設計者は、利害関係が相反する工事会社の人間ですから、先生にとっては見方になってくれません。
例えば先生が希望する材料を指定した時に、追加工事金額の請求が発生いた場合於いても建設会社の言うがままにならざるを得ない事になります。先生の味方になって工事会社と戦ってくれる人が誰もいないからです。先生が設計施工の会社で工事をする事は、有る意味で訴訟相手に弁護士無しで戦うのと同じ状態になっている事になります。



新規開業(設計の前に)

1.敷地調査

現地を確認させて頂きます。次に行政機関に於いて建設・開業関して支障となる問題点が有るかどうかのチェックをします。また周辺の競合医療施設の状況判断の為の調査も併せて行います。開業地の決定は非常に大事ですから、出来るだけ最終決定する前にご連絡頂きたいと思います。状況によっては地価の安い調整区域での開業等のご提案も併せてご提案させて頂きます。医院建築専門の建築士のノウハウをお利用頂きたいと思います。

2.リサーチ・医療状況の把握

基本的の新規の開業の場合は競合施設の状況を把握する為にリサーチを行います。既設の建て替え等の場合は、差別化を図る為競合施設の状況を把握致します。
リサーチは計画規模を決定するのに大事な調査です。事業収入予測なしには砂上の楼閣となってしまいます。確実に成功する開業には欠かせない調査と考えて、長年の経験に基づく医療状況リサーチを行います。

3.企画設計・プレゼンテーション

敷地条件、医療状況を把握した上でご希望の計画概要を整理致します。直接お会いし、ご予算、診療方針、計画概要等のご希望をお聞きして企画設計へと進みます。
企画設計は、建築規模、予算、設計期間、工事期間等の開業までを把握出来るものをご提案致します。

基本設計・実施設計

基本設計・設計契約

企画設計・プレゼンテーションでご確認頂き、、設計をお任せ頂くご決定頂戴いたしましたら設計業務委託契約をさせて頂き基本設計に入らせて頂きます。
基本設計に先駆けて施設見学等のご希望も承ります。打ち合わせを重ねながらご希望に沿った計画案を作成するともに、行政機関とも事前協議を致します。この時点で医療機械等の導入計画等も検討いたします。基本設計完了時には、概算工事金額、建物全体の3D(立体図)、開院までのスケジュール等の提示、説明と共にご承認いただきます。

実施設計

基本設計ご承認い頂きましたら実施設計に入らせていただきます。実施設計では、細部に於けるご希望を反映した工事用の図面の作成致します。同時に医療器械等の打ち合わせも行います。同時に建築確認申請を提出いたします。実施設計完了後は、工事施工業者を数社選定し、見積合わせを致します。

施工業者選定

施工業者選定

数社からの工事見積(密封)提出されたら、先生お立会いの上開封致します。見積内容のチェックが完了した時点で、見積結果報告に基づき施工業者の先生とご相談の上最終決定いたします。尚この時点で予定工事価格との金額調整を致します。

工事監理業務

工事監理業務

工事監理は現地に出向き工事の進行状況に合わせて立会検査致します。また先生におかれましても出来るだけ工事工程会議にご出席いただきます。工事工程会議は工事規模、工事内容、建築構造によって開催間隔は異なりますが、概ね月に3回~4回の頻度で開催することになります。医療器械業者も工事工程に沿って出席要請致します。
蛇足には成りますが、私達の工事監理内容は、設計図書に基づき工事が行われているかを管理する業務です。工事の施工精度、工程管理は建設会社の監督者が行います。例えば床を水平に、柱を垂直に施工する等の工事監督は基本的に建設会社の工事監督の責任範囲となります。

工事完了検査

工事完了検査

完了検査は大別すると、1.行政機関、2.建設会社の社内検査、3.設計者、4.建築主(先生)が検査者となります。
行政検査、社内検査の結果を踏まえて是正部分が有れば是正工事完了後に、設計者、建築主の検査をする事になります。その時点でも不具合部分が見つかった場合は直ちに指定期日までに是正し、再検査後に建築主に建物引き渡しとなります。
※行政検査とは   確認審査機関(市役所等)、消防署、水道局、保健所(浄化槽設置の場合)

保健所申請・検査

保健所申請・検査

多くの場合が無床の診療所での開業となると思いますので、無床診療所の開設について説明いたします。
診療所の開設には、開設届、保健医療機関の指定申請が必要となります。開設届は保健所、保健医療機関の指定申請は社会保険事務所(医療改革で統合されかなり広域の範囲となりましたが、それぞれ出張機関が有ります。)となります。
また医院の開設場所により申請締切日、必要書類が多少異なりますので、事前協議を為さる事をお勧めいたします。開設地によっては月に2回の場合が有りますが、多くの県では月に1回となっております。
忘れがちなのが保険医登録の移動が有ります。あらかじめ開業地の県に移動の手続きをしなければなりません。以上の事を踏まえ開院日を逆算して申請日を設定する必要があります。
私達は業務の一環として開設届、保険医療機関の指定申請等の助言、申請の支援を行います。