医院開業Q&Aof医院設計,医院建築設計・MIA桜沢建築事務所

医院設計,医院建築設計,ビル診内装設計,MIA 桜沢建築事務所,株式会社エムアイエー桜沢建築事務所

医院開業の為のQ&A-1

医院開業の必要資金は?

開業資金の内訳

開業資金の内訳は開業の方法で変わってきますが、一般的な資金計画を例に説明します。
医院開業に必要な資金かどうかそれぞれ選択しながらご検討願います。

1.医院建設用地資金   土地代金(参考面積  駐車場10~13台で300㎡)
2.テナント借用保証金  (ビル診開業の場合) 室料の3カ月分から10カ月分くらい。
                 医院面積(㎡)×1万円~3万円
3.医院建設資金      医院の面積(㎡)×21万円~30万円
                (建物構造、グレードによって異なります。)
4.テナント内装工事    医院の面積(㎡)×12万円~18万円
               (既存の状態、内装グレードにより異なります。)
5.設計・監理費用    建設費、内装工事費の 7~10%程度
6.医院備品        事務用備品(電話、コピー機、等)、診察備品(机、椅子、
                ベット、カーテン等)、待合室椅子、200万円~300万円くらい。
7.医療器械        診療科目により異なりまので、先生に予算建て願います。
                先輩の先生方にお聞きするのもよろしいかと思います。
8.医師会入会金     各医師会で異なりますが200万円くらいでしょうか。
9.広告宣伝費       折り込み広告、電柱看板、駅看板、野立て看板、
                ホームページ製作費等
                ですが予算的には100~150万円くらいでしょうか。
10.運転資金        基本的にはスタッフの人件費の半年分くらいを目安にします。
11.先生の生活費     最低でも6カ月分、出来れば10カ月分位を確保したいところです。

以上が主だった必用資金の内訳ですが、計画概要次第の感が有ります。自己資金、借入資金等の事業計画を検討しながら決定して行きます。

医院開設自己資金は?

開業資金に対する自己資金

新規開業するにあたり自己資金はどのくらい必要になるかは、最も気になる項目かと思います。
必要開業資金      自己資金+借入資金で構成されます。
               自己資金で不足する開業資金は融資を受ける事になります。
               無担保での融資額は1000万~2000万円くらいではないでしょうか。
               市中銀行は融資額に対する担保の提供を求めます。
ビル診開業の場合    一般的には1000万~2000万円の自己資金が必要になります。              
戸建開業の場合     土地、建物、他の開業費用の35~40%が必要となります。

医院開業資金融資を受けるには?

資金調達先

市中銀行融資             銀行、信用金庫、一般的な融資先
独立行政法人 福祉医療機構   旧医療事業団: www.wam.go.jp/wam/LinkIcon
日本政策金融公庫          旧国民金融公庫www.k.jfc.go.jp/tyuushou/LinkIcon
医師会                 県の医師会で融資を行っている場合が有ります。

融資の申し込み方法

1.事業計画書      開業計画の所要資金、調達資金内訳、
                収入、支出予測の5年~7年の収支計算表
                計画資料 (医院平面図、案内図、土地(謄本、公図)              
2.事業スケジュール  開院までの全体スケジュール表 
3.担保物件資料    自宅等の(土地、建物)謄本 、有価証券リスト
4.履歴書         大学卒業から現在までの職歴

上記の書類と金融機関の融資申込書を持参します。以上は一般的な融資申し込み方法に成ります。
実際の申し込みは、融資先を2~3ヵ所を対象に融資相談を行います。
融資条件、融資金額、等を比較検討しながら、徐々に相談を重ねながら進めます。
必ずしも社会情勢が医院開業に追い風ではない現在、融資先は慎重になっていますで、情熱と堅実な事業計画で融資に臨む必要が有ります。
充分な準備資料を作成してから相談に臨み、好印象を与えるようにしましょう。

医院設計期間は?

ビル診内装設計期間

ビル診の医院内装設計は、通常1カ月から2カ月間くらい必要となります。借用する建物の調査、建築工事業者の見積もり期間等が1カ月間くらい必要となりますのでトータルの設計期間としては2~3か月間必要となります。
ただし特殊な医療機器の設置計画が有る場合は調整期間を見込む必要が有ります。
ビル診開業の場合は、建物賃借契約から開院まで出来るだけ日程を短縮した計画で進めたいので緻密なトータルスケジュール(保健所の開設届日を逆算して)を立てる必要が有ります。

戸建医院の設計期間

戸建医院の設計期間は、企画設計に1カ月~2カ月(リサーチ業務・事業計画作成・融資申し込み・計画規模設定等)が必要となります。基本設計に2カ月、実施設計(工事用設計図)2カ月、建設業者見積期間と工事金額、施工業者決定・調整期間として1.5カ月間位必要となります。従いましてトータルの設計期間としては7~8カ月必要となります。
またご注意しなければいけない事に、更地の場合農地転用届、開発行為の申請、規模によっては、福祉のまち造り協議、省エネ措置の届、保健所の事前協議等が必要となる場合が有ります。これらはの一部は設計業務と並行して進めなくてはなりません。従ってこれらの申請、届はネックポイントとなり純粋な設計期間とは別に必要になるケースがあります。
市街化調整区域、農業専用地域での計画では、申請受理日が年に2度という場合も有ります。この様な土地、地域での計画の場合は申請経験の有る設計者に事前相談をすることが大切だと思います。

医院工事期間は?

ビル診内装工事期間

内装工事の工事期間は、借室の状態により工事期間が左右されます。一般的にスケルトン(内装工事が一切されていない状態)の状態でなければ約2カ月間必要になります。工事期間を最も左右するのが製作期間を必要とする工事項目が有るかどうかです。現状がスケルトン状態で新規設置の金属性のドア等、例えば自動ドア、スチール扉、シャッター等の工事です。これらは製作日数が製作工場で最低2~3週間(製作図承認後)必要になります。そしてこれらの工事は設置してから周辺の工事をすることになるので、設計に、工程管理に工夫が必要になります。
またカーテン、備品等も内装工事の納期を検討しておく必要が有ります。内装仕上げ材も最近はメーカーが在庫を少なくしております。特に床材の中には受注生産品も有りますので、注意をする必要が有ります。
工事の完成と保健所開設届日は非常に重要なポイントになりますので、施工業者に充分認識して工事を進めてもらうことが必要です。開設届の締め切り日に1日でも遅れた場合は医院開院の出来ませんので、施工業者にしっかりした工事工程管理を行ってもらう必要が有ります。開院日がずれた場合でもスタッフの給与支払いが発生します。不必要な出費を無くすためにも充分に工事工程計画を検討して、工事発注する必要が有ります。
医院内装施工業者は、前述した様に開設届日が非常に重要な事を理解していないる内装工事業者はほとんどです。従って工事契約前に内装工事監督者を決定し、工事引き渡し日を確約していただいてから契約する必要が有ります。

戸建医院建設工事期間

戸建医院の建設期間は建物の構造体の種類、階数により異なります。また土地の地耐力によっては、基礎構造が異なり工期に影響します。杭工事が有る場合は1カ月間程度多くなります。
杭工事が無い、無床医院の一般的な工事期間は6カ月位が標準的な建設工事期間です。鉄骨造の場合は社会情勢によっては鉄骨の入手が困難な時期もありましたが現在は安定供給となっています。木造、鉄筋コンクリート造は社会情勢による影響は比較的有りません。ただ注意しなければならないのは、工事期間にお正月が挟まるかどうかでは、工期が変わります。お正月が挟まる場合は1カ月位通常より長くかかる場合も有ります。

工事時期で工事費が変わりますか?

医院内装工事

医院内装工事費は比較的工事費に変化は有りませんが、工事期間が暮れ、2月3月が含まれる場合は比較的高めに成る傾向が有ります。理由としてはその時期は内装工事が社会情勢で需要が多い時期に当たるからのようです。内装工事の職種によっては施工者不足になりそれが工事費に反映される場合が有るように感じます。

戸建医院建設工事

戸建医院の建設時期による工事費は、時期によって安い時期が有ります。役所発注の新築工事が無い1月~3月は建設業者は民間工事受注に集中します。また3月末が多くの建設業者は決算時期に成っていますので、特に受注意欲が高くなります。その結果1年の中で一番低価格の見積金額が提出される傾向が有ります。
特にスケジュールに縛りが無い場合は、工事の発注はこの時期が良いと思います。この時期に医院工事を発注し、9月~10月に開院するのが理想的だと思います。開院直後に繁忙期にならない様にスケジュールを計画して、慣れないスタッフを教育してから繁忙期を迎えるのが理想的だと思います。先生の勤務も3月9月が比較的区切りが良いのではないでしょうか。また新規スタッフも夏のボーナスをもらってから退職する事が出来るので、募集にも有利だといえます。

医院設計料金は?

医院内装工事

医院内装工事の場合の設計料金は戸建医院新築工事のおおよそ70%前後とさせていただいております。

戸建医院建設工事

戸建医院建設工事の場合は建築設計・工事監理業務費(国土交通省告示15号)LinkIconと従来からの弊社設計料金基準LinkIconを目安にして、ご相談の上決定させて頂いております。

医院開業相談の費用は?NEW

相談料・相談日・相談場所

面談による個別開業相談、リニューアル相談等に費用はかかりません。
勤務している先生はなかなか相談する時間が取れないのが実情でではないでしょうか。そこで私たちは日曜日にも無料個人相談をお受けしております。
その結果、私達が先生方からのご相談をお受けする場合の多くは、日曜日のケースが大半といえます。
相談場所は先生の勤務地近くでお会いさせて頂く事が一般的です。また勤務中に開業のご相談は、開業情報漏れが一番気にかかる問題だと思っております。情報漏れについては、最も重要な事項と認識しております。従いまして、勤務先等に情報が漏れは一切有りませんので安心して無料個別相談頂きたいと思います。

医院開業地のリサーチは?NEW

医院開業予定地におけるリサーチ及び費用

新規開業においては、医院開業地のリサーチ業務は欠くことのできません。この場所でしか開業出来ないというような場合であっても必要で有ると考えます。
理由は患者さんの外来数を予測して、待合室の大きさ、診察エリアの大きさ、構成、駐車場台数等をを決める必要が有るからです。
また事業資金の借入に必要な事業計画の作成にも裏付け根拠として必要となります。
新規計業で有れば医院経営面においても指標として重要な目安に成ります。
リサーチ費用は、関東圏の場合は当事務所では20万円で調査をお受けしております。
また候補地が何箇所かあり最適地を決定するような場合の費用については別途ご相談させて頂いております。

新規開業の準備スタート時期は?NEW

開業用地が決まっている場合

開業用地が決まっている場合は、リサーチ期間1カ月、設計期間4~5カ月、工事費見積期間1カ月、建設期間6カ月、開院準備1カ月必要となりますので開業予定時期を考えて約13~14カ月前からスタートするのが理想的だと考えます。
また予定地が農地の場合、大きな敷地の場合、市街化調整区域の場合は上記期間のほかに、行政庁(県、市、)等に別途申請項目が有りますので、その申請期間も考慮してスケジュールを決める必要が有ります。

開業用地が未定の場合

開業用地が未定の場合は上記の期間とは別に用地探しの期間が必要となります。
私たちの経験では用地取得には概ね1年くらいかかることが多かったように思います。現在はとても用地取得には社会情勢的に良い時期なので比較的見つけやすい様に思います。しかしながら一般的には限定した地域において開業用地を探すことになるので社会情勢に関らず売却地を取得するのは難しいと思います。希望するエリアの土地が存在してもなかなか手放して頂けない事が多々ありました。結論的には用地が未定の場合は開業の2年前くらいからスタートする必要が有ると思います。

ビル診開業の場合

ビル診開業の場合は、貸室を探す期間の設定が難しいのですが、概ね6か月から1年くらいの期間をかけて探す必要があると思います。いったん開業してしまうと移転はほぼしない事になると思いますので時間をかけて探す必要が有ります。
設計から開院までの期間としては最短で4カ月間理想的には6カ月間位の期間が必要となります。先生方が個人的に通常勤務の中で時間をさいて貸室を探すことはは難しいと思います。当事務所は開業用の貸室探しも行っていますのでご利用頂きたいと思います。長く医院開業の設計をしていた関係で土地所有者さんが貸室建設を希望している方の情報も有りますのでご利用頂きたいと思います。

医院開業地の決め方は?NEW

開業地の絞り込み

私達にご相談頂く時点で開業候補地を数か所決めてからおいでいただく場合もございますが、ほとんどの場合何も決まってい状況でおいでいただく場合が多いのが現状です。
新規開業の場合、開業するに当たり何から手を付ければ良いか全く判らず途方に暮れる事かと思います。開業地が決まってない場合の開業地の絞り込み方法についてご説明したいと思います。
まず最初に先生には一応大きな意味での候補地域の希望をお聞きしてから以下のようにして候補地の絞り込みを行い用地の決定まで進めます。
1.候補地域の決定   ○○県、○○市、程度の決め方で進めます。
  診療科目による市単位の比較表(当社作成)にて候補地の絞り込みを行いま
 す。 例えば内科開業で埼玉県の最も開業医が少ない市から最も多い市の
  順位表でご説明いたします。その中から先生の一番希望に沿った開業地域の
  決定を絞り込みます。
2.市の絞り込みが終了た後、市の中での有力候補地域を絞り込みます。
3.候補地域の中で道路網、バス路線、線路(駅)、人口分布、競合施設の分布、
  競合施設の評価等を把握し、分析して最終候補地を決定します。
4.実際の土地探しが本格的にスタートとなります。
5.不動産業者を中心に業者に出回っている物件を調べながら、銀行、農協、
  地元の大地主、等に新規の土地情報をお願いして収集します。
6.土地情報が出ましたら先生と相談しながら価格交渉を行います。この時点で
  もまだ先生の身分等の情報は提供致しません。最後の最後まで出来るだけ
  先生の情報は最低にして進めることが非常に大事なポイントです。勤務先
  に情報漏れを防ぐために非常に大切なことです。

  今回は土地取得でご説明しましたが貸室探しでも同様にして進めます。

医院開業中の建替えは?  NEW

開業しながらの建替え方法

相談の中に、両親の医院を建て替えての開業計画の相談は結構有ります。既存の医院を続けながら医院を同じ場所で新築する。
この様なケースで、しかも医院の周辺は建物で密集している場合は躊躇するかもしれませんが決して難しくは有りません。私達の実例としては、浅川産婦人科、蓮根メディカル、高野医科クリニック、元山クリニック、加藤医院、西山医院等が有ります。いずれも住宅、商店密集地の医院建替えのケースです。
その間診療報酬も途切れることなく継続しながら新築する方法をご説明します。
1.保健所の変更申請が必要となります。(多くの場合は遡及願いで対処します。)
2.仮診療所を準備します。(既存医院近くに貸室、仮設建物を用意します。)
3.仮診療所は診療科目によりますが最低12帖から18帖位有れば可能です。
4.駐車場スペースを借りて仮診療所を用意したこともあります。
5.既存医院を一部残して新築し、移転してから既存部分を撤去する方法。
主だった方法は上記のよう方法です。保健所う手続きから仮設医院そして新築、移転まで全て当社で対応致します。(建設工事は工事会社にて施工頂きます。)

両親の医院継承の進め方は?NEW

意外と対話が難しい

先生が両親の医院を継承して開業を考えた時、多くの場合は両親と考え方の相違でご苦労が伴う事多々あった、とのお話が有りありましたので取り上げました。
医院継承を両親と良好な関係を保ちつつ、先生の意向を取り入れた医院の作り方。
1.両親と先生の間に設計者を介して計画を進める。
2.世帯交代の話は出来るだけ避ける。(院長はどちらがするか等の話は避ける)
3.診療科目が違った場合は、設計者にレイアウトで誘導してもらう。
4.診療方法の違いには両親の方法を尊重する。(必要事項は対応出来る様考慮する。)
5.医療器械については、状況を踏まえて話題にする。(設計者には正確に伝える。)
6.医療報酬については出来るだけ触れない。
7.非常に難しい場合は、両親と先生との打合せを別々に進める。ただしこの方法は設計者に正確な報告を依頼する必要が有ります。
等両親に対しては大先輩の医師として(両親と考えないで)接するようにしたいものです。私達が医院専門の設計者としての、一般的な話として進める方法が摩擦無く進める良い方法だと思います。
私の経験では、両親の方は出来るだけ先生のやりたいようにさせてあげたいという気持ちは十分に有るのです。両者の関係を充分理解して設計者が仲介し両者に良い医院を造りたいものです。